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「ファンクラブ」 前川健二
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ファンクラブ
誰かのファンクラブに入りたいって思ったこと、今まで何回あっただろう?
ファンクラブ。ファンのクラブであり、クラブってことは部活なわけで、部活に入るって考えるとそこにはハードルがある。陸上部じゃなくてもハードルがある。
部活に入るってことはそこには大なり小なりのハードルが存在するわけで、それをヒョイって跨いで入部することって結構その後の人生を左右する大きな決断だったって歳をとってから思う。
私の田舎は過疎地域で全校生徒70人ほどの中学校だった。
男子が入る部活は野球部か柔道部、ちょっと体力的に、、、とか持病がある人は卓球部という選択肢も一応あるにはあった。ちなみに女子はバレー部かテニス部。文化部的な選択肢は男女ともなかった。
これって結構なハードルじゃない?ハードルの数が少ないくせに高い。
小学校の時一応スポーツ少年団として野球をやっていたけれどそれだって過疎地域で野球しかやることがなかったからそうなっただけで、得意でも好きでもなかった。
そうなるとまあ柔道部?ってことで柔道部に入部。3年間柔道部員として活動して初段、黒帯になった。
この頃の経験が生きたのは劇団員になってから、「おらは柔道初段、前川健二だぁ!」ってセリフをもらえた時くらいかもしれない。
過疎地域から街中の高校へ入学するとそこには無数の選択肢があった。
魅力的なクラブがたくさんあり、カヌー部とボート部に憧れたんだけれど自宅へ帰るバスの最終に絶対間に合わないこと確定だったからハンドボール部に入った。「早めに帰ることになってもうちは大歓迎だから!」って皆川キャプテンに言われたからなんだけれど、結局入部してからは部活を早上がりすることのプレッシャーに耐えられなくて両親に車で迎えにきてもらう高校生活となった。
低めのハードルを選んだつもりだったが結局同じ脚力が必要だった。
部活には熱心に取り組んだおかげでハンドボール部は大学でも続けた。
高校のハンド部の先輩でお笑い芸人を目指し上京した先輩がいたことと、大学のハンド部の尊敬する先輩が本気で自由気ままな人だったことが多いに影響し、私が上京して演劇の世界に足を踏み入れることとなる。
ハンドボール部に入るってハードルが今の私を形作っている。部活とはそういうものだ。
本ファンクラブ、スカイギに入ることってみんなにとってどれくらいのハードルなんだろう?
もしかしたらこれがきっかけで役者を目指そうとか、表現の道に進もうとかそういう一つの分岐点になるくらいゆくゆく大きな決断だったとなることなのかもしれない。
でもまあそうは言ってもそんなに肩肘張らずに、この部活を楽しんでいただけたら嬉しい。
この部活の延長上に我々もいるので。
入部、お待ちしております。早めに帰ることになってもうちは大歓迎だから。